1966.10.16 Sunday
怪獣映画花盛り?
本日、日曜日のためもあって、紹介できる記事は少なめ。ご了承ください。
そう言えば、現在公開中の大映映画「白い巨塔」を見てきました。予想外に面白かった。なんといっても田宮二郎さんがハマリ役。田宮さんは、関西弁で芝居をさせるとよりスゴみがでますね。「悪名」の時のモートルの貞もよかったなぁ。彼と対決する田村高広のしょぼくれ加減も秀逸。機会があれば是非ご覧下さい。
新聞斜め読み
「口をきわめ中共攻撃 ソ連書記長が演説 米ソ改善、侵略が障害」
(毎日新聞昭和41年10月16日朝刊1面)
「【モスクワ十五日平野特派員】ブレジネフ・ソ連共産党書記長は十五日、クレムリン大会宮殿でゴムルカ・ポーランド統一労働者党第一書記を迎えて開かれたソ連・ポーランド友好集会で演説、中共指導者のベトナム共同行動拒否、ソ連攻撃、国際共産主義運動に対する分裂活動、文化大革命などの罪状を列挙して、これまでにない激しい語調で非難した。また対米関係について、ブレジネフ書記長は核拡散防止交渉の進展を歓迎し、その締結に努力すると述べながらも、ジョンソン大統領の欧州平和のための米ソ協力呼びかけについて「米国がベトナム侵略とは無関係にソ連、欧州社会主義国との関係を改善できると考えるのはとんでもない盲想である」と反論を加えた。(中略)
ブレジネフ書記長の中共指導者に対する非難の激しさは中共が欠席した二十三回党大会でさえ、中ソ会談を提唱したいきさつからみても、ソ連首脳部に決定的な態度を変化があったことを感じさせた。ブ書記長は「全世界の共産党員は中共指導者ではなく、中国人民とともにある。われわれは中国人民には幸福な将来があると信じ、中国が必ずわれわれとともに歩む日がくると信じている」と毛ー林政権に対する敵意をむき出しにした。」
昨日も、ソ連の対中共強硬姿勢の記事がありましたが、さらに一歩踏み込んだ様子。中共政府は相手にせず、直接中国人民に話しかけるポーズをとってきました。
「労働者が反紅衛兵スト 北京 紡績工場で一カ月余」
(毎日新聞昭和41年10月16日朝刊3面)
「【北京十五日共同】十五日、中国共産党北京市委員会前にはり出された北京第一綿紡工場(従業員二千七百人)「全革命労働者」などの連名壁新聞によると、同工場では紅衛兵運動に抵抗する百五十一人が職場を放棄してすでに三十七日にわたりストライキを行っていることがわかった。紅衛兵運動に抵抗するストライキが行なわれている事実が明らかにされたのはこれが初めて。」
これは、紅衛兵側の発表のようで、『文革に反抗するとんでもない労働者がいる』という非難のための壁新聞らしいですね。なんで、どこまで本当のことなのかは確かではありません。
「サンデー・スコープ 映画 怪獣ブームにもの申す 筋も技術もマンネリ」
(読売新聞昭和41年10月16日朝刊20面)
「映画館のスクリーンを、茶の間のブラウン管を、あれやこれやの怪獣があばれまわっている。いままで怪獣映画を手がけたことがなかった映画会社も、昨年暮れの大映を皮切りに、いま日活が「大怪獣ガッパ」で続き、松竹も「宇宙大怪獣」(仮題)を準備中---。しかし、このブームの裏にも、いくつかの大きな問題がある。"世界的"といい気になっていられるほどの技術でもないし、なによりも企画が完全にマンネリ化してしまっている。これでよいのか怪獣映画と、ブームにもの申してみよう。(中略)
"いつも負けてる自衛隊"は、東宝からはクビになったが、その代わり、いま日活に出勤中(?)だし、松竹にも出勤の予定らしい。登場する人物や、訴えるテーマにしても、ある第一線カメラマンは「どうしてこうもバカな人間ばかりだったり、こうも単純なテーマをわざとらしく強調するのだろうか」と批判する。(中略)
円谷一氏はいう。
「金で解決されるものに不満を並べるだけではダメなのだ。劇場用映画にしろ、テレビ映画にしろ、もっと外貨が獲得できるようになれば、金の問題はすぐ解決がつく。もっとも大切なのは、より高度の技術と、内容をささえるユニークな創作力だと思う」
いま各社に散らばっている技術者を一社に集めてようやくマアマアというのが現在の水準だと、ある技術者はいう。某社の第一線監督は「特撮をあの人にまかせなくてはならない限り、ぼくは特撮ものをとりたいとは思わない」という」
本当に、各社横並びで怪獣ものを作ってますね。その中で、大映の大魔神は、怪獣と時代物の融合ということで、ヒネリが効いていて面白かったですが。"いつも負けてる自衛隊"という文句には、ちょっと笑ってしまいました。でも、上映開始して45分ごろに、自衛隊が完膚無きまでに怪獣を退治してしまう映画は誰もみないような気が。(そういえば、東宝の「空の大怪獣 ラドン」では、陸自がかなり善戦してましたな。)
そう言えば、現在公開中の大映映画「白い巨塔」を見てきました。予想外に面白かった。なんといっても田宮二郎さんがハマリ役。田宮さんは、関西弁で芝居をさせるとよりスゴみがでますね。「悪名」の時のモートルの貞もよかったなぁ。彼と対決する田村高広のしょぼくれ加減も秀逸。機会があれば是非ご覧下さい。
新聞斜め読み
「口をきわめ中共攻撃 ソ連書記長が演説 米ソ改善、侵略が障害」
(毎日新聞昭和41年10月16日朝刊1面)
「【モスクワ十五日平野特派員】ブレジネフ・ソ連共産党書記長は十五日、クレムリン大会宮殿でゴムルカ・ポーランド統一労働者党第一書記を迎えて開かれたソ連・ポーランド友好集会で演説、中共指導者のベトナム共同行動拒否、ソ連攻撃、国際共産主義運動に対する分裂活動、文化大革命などの罪状を列挙して、これまでにない激しい語調で非難した。また対米関係について、ブレジネフ書記長は核拡散防止交渉の進展を歓迎し、その締結に努力すると述べながらも、ジョンソン大統領の欧州平和のための米ソ協力呼びかけについて「米国がベトナム侵略とは無関係にソ連、欧州社会主義国との関係を改善できると考えるのはとんでもない盲想である」と反論を加えた。(中略)
ブレジネフ書記長の中共指導者に対する非難の激しさは中共が欠席した二十三回党大会でさえ、中ソ会談を提唱したいきさつからみても、ソ連首脳部に決定的な態度を変化があったことを感じさせた。ブ書記長は「全世界の共産党員は中共指導者ではなく、中国人民とともにある。われわれは中国人民には幸福な将来があると信じ、中国が必ずわれわれとともに歩む日がくると信じている」と毛ー林政権に対する敵意をむき出しにした。」
昨日も、ソ連の対中共強硬姿勢の記事がありましたが、さらに一歩踏み込んだ様子。中共政府は相手にせず、直接中国人民に話しかけるポーズをとってきました。
「労働者が反紅衛兵スト 北京 紡績工場で一カ月余」
(毎日新聞昭和41年10月16日朝刊3面)
「【北京十五日共同】十五日、中国共産党北京市委員会前にはり出された北京第一綿紡工場(従業員二千七百人)「全革命労働者」などの連名壁新聞によると、同工場では紅衛兵運動に抵抗する百五十一人が職場を放棄してすでに三十七日にわたりストライキを行っていることがわかった。紅衛兵運動に抵抗するストライキが行なわれている事実が明らかにされたのはこれが初めて。」
これは、紅衛兵側の発表のようで、『文革に反抗するとんでもない労働者がいる』という非難のための壁新聞らしいですね。なんで、どこまで本当のことなのかは確かではありません。
「サンデー・スコープ 映画 怪獣ブームにもの申す 筋も技術もマンネリ」
(読売新聞昭和41年10月16日朝刊20面)
「映画館のスクリーンを、茶の間のブラウン管を、あれやこれやの怪獣があばれまわっている。いままで怪獣映画を手がけたことがなかった映画会社も、昨年暮れの大映を皮切りに、いま日活が「大怪獣ガッパ」で続き、松竹も「宇宙大怪獣」(仮題)を準備中---。しかし、このブームの裏にも、いくつかの大きな問題がある。"世界的"といい気になっていられるほどの技術でもないし、なによりも企画が完全にマンネリ化してしまっている。これでよいのか怪獣映画と、ブームにもの申してみよう。(中略)
"いつも負けてる自衛隊"は、東宝からはクビになったが、その代わり、いま日活に出勤中(?)だし、松竹にも出勤の予定らしい。登場する人物や、訴えるテーマにしても、ある第一線カメラマンは「どうしてこうもバカな人間ばかりだったり、こうも単純なテーマをわざとらしく強調するのだろうか」と批判する。(中略)
円谷一氏はいう。
「金で解決されるものに不満を並べるだけではダメなのだ。劇場用映画にしろ、テレビ映画にしろ、もっと外貨が獲得できるようになれば、金の問題はすぐ解決がつく。もっとも大切なのは、より高度の技術と、内容をささえるユニークな創作力だと思う」
いま各社に散らばっている技術者を一社に集めてようやくマアマアというのが現在の水準だと、ある技術者はいう。某社の第一線監督は「特撮をあの人にまかせなくてはならない限り、ぼくは特撮ものをとりたいとは思わない」という」
本当に、各社横並びで怪獣ものを作ってますね。その中で、大映の大魔神は、怪獣と時代物の融合ということで、ヒネリが効いていて面白かったですが。"いつも負けてる自衛隊"という文句には、ちょっと笑ってしまいました。でも、上映開始して45分ごろに、自衛隊が完膚無きまでに怪獣を退治してしまう映画は誰もみないような気が。(そういえば、東宝の「空の大怪獣 ラドン」では、陸自がかなり善戦してましたな。)