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At the Moment

昭和40年代への誘い 〜〜〜 産業ロック製作所謹製
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イギリスでボタ山崩壊
 国連が、昨年の世界人口を発表しました。

「三二億八千万 世界の人口」
(読売新聞昭和41年10月22日夕刊2面)


「【国連本部二十一日発=AFP】二十一日発表された六五年度国連人口統計によると、世界人口は六五年年央現在で三十二億八千五百万人に達した。六四年からの一年間の世界人口増加は六千五百万人で一日当たり十八万人となる。
 東京は二十三区だけでみると八百九十万一千三百四十一人で世界一の人口だが、衛星都市(郊外)も含めた場合は一千六十五万四千人で、ニューヨークの一千百二十六万人についで第二位となる。」

32億と言われても、あまりに大きい数字で実感が湧かない感じ。しかし、衛星都市も含めた人口となると、ロンドンが世界一かと思っていたのですが、意外にもニューヨークだったんですね。



新聞斜め読み




「政府軍が掌握 ラオス空軍の反乱」
(毎日新聞昭和41年10月22日朝刊3面)


「【ワシントン二十一日UPI】米国務省スポークスマンは二十一日、ラオス王国空軍の戦闘機八機がラオスの首都ビエンチャンにある陸軍施設を攻撃したが、これは同国軍内の個人的な派閥争いによるものと思われると述べた。同スポークスマンによると、この空襲はラオス王国軍内の二派閥の激しい抗争の結果であり、政治的に引き起こされ政府にむけられたものではない。
【バンコク二十一日北畠特派員】ラオスで二十一日朝、空軍機がビエンチャン市などを爆撃した事件は、バンコクではクーデターととられていない。事件は政治的背景をもったものというよりは、個人的な対立が高じて爆撃事件をひき起こしたというのが、ほぼ一致した見方である。
 タオ・マ将軍は陸軍の実力者クープラシト・アバイ第五軍管区司令官とは仲がよくなく、タオ・マ将軍は更迭され、後任にスリ・ドン・サスリト将軍が新司令官に任命された。従ってこの日の爆撃はこれを根に持った報復行為だとする見方が有力になるわけだ。」


なんと、クーデターじゃなくて、軍の中の派閥抗争を巡る小競り合いだったようです。しかし、人事の不満解消に、正真正銘の『爆撃』を行うってのが、さすがに空軍。ダイナミックですなー。



「低調に終わった反戦統一スト うすいベトナム危機感 批判を呼んだ政治闘争」
(毎日新聞昭和41年10月22日朝刊2面)


「"政治スト"として注目された総評の「一○・二一統一スト」は一般に大きな混乱を起こすこともなく終わった。"ベトナム反戦"という闘争の第一目標からみれば必ずしも成功したとはいえないが、それでも日教組、自治労を中心とする公務員共闘の盛り上がりを支えたものは、やはり"黒い霧"に覆われた佐藤内閣への"不信"という連帯感にあったといえよう。しかし同時にまた一○・二一統一ストは、労働組合と政治闘争のあり方とうい観点から、今の労働運動に大きな波紋を投げかけている。(中略)
 労働組合の政治ストは妥当かどうかという問題は各方面から多くの論議を呼んだ。(中略)総評でも執行部の方針が必ずしも組織全体に浸透していたわけではない。ストをひかえて日教組が一般組合側に行なった"半日スト"に対する批准投票からは"ベトナム反戦"のスローガンは消え、人事院勧告の完全実施と地方公務員の給与改定のための財源措置という二点にしぼられていたし、私鉄総連も全国一律最低賃金制を全面に押し出して、"ベトナム反戦"はむしろつけ足し。ベトナムを中核として闘争にのぞんだのは組織内でも最左翼に位する国労ぐらいのものだった。」


やはり、労組の政治闘争にはムリがあるんじゃないでしょうか。労組全体で結束できる目標にしぼらないと、この後の活動にも悪影響が出ると思います。



「ば声の飛ぶ中で 日教組手入れ 入り口で押し問答 来る物が来たと職員」
(日本経済新聞昭和41年10月22日夕刊7面)


「一○・二一ベトナム反戦ストに参加した日教組に対して二十二日早朝から全国で家宅捜索がはじまった。日教組本部をはじめ、東京、岩手、佐賀の三都県で手入れをうけた二百数十カ所の日教組本部、支部などの前では小ぜり合いがあったが、それほどのトラブルはなく、労働歌の合唱の中で捜索が続けられた。
 二十二日午前七時すぎ警視庁公安部の捜査員百二十人が東京・神田一ツ橋の教育会館内の日教組と都教組本部の二手に分かれて、一斉に捜査を始めた。まず日教組書記局の前で、捜査員と書記局員の間に「捜査令状を見せろ。指揮者はだれだ」などと十分ほど押し問答が続き、ひともんちゃくがあった。指揮者の警視庁公安部の野口課長代理と森田日教組総務部長の話し合いがつき書記局員の立ち会いで捜査員の捜索が始まった。「警察の暴力行為だ。横暴だ」などのば声が飛ぶ。」


ベトナム反戦ストがらみのニュースもう一つ。今回のストで、日教組にガサ入れです。スト権が無いはずの公務員のストということで、捜索を受けた日教組側の対応も手慣れた感があります。



「学童ら二百人生埋め 英国 学校にボタ山崩れる」
(毎日新聞昭和41年10月22日朝刊15面)


「【ロンドン二十一日佐藤特派員】英南ウェールズ地方の山あいの炭坑町で、二十一日朝、ボタ山がくずれ、そばの小学校や住宅家屋の上に襲いかかり、学童、教師、住民が生き埋めになって死亡するという大事故が起きた。現在までに判明したところでは、学童二十人と教師四人、一般住民五人が死体で発見された。また学校側の発表では百七十二人(学童百六十九人と大人三人)が行方不明で、これらは生き埋めになっているものとみられる。(警察は行方不明は百人以上としか発表していない)これだけの事故はウェールズの炭鉱地帯でも史上初めてである。
 事故が起きたのは南ウェールズのアバーファンという小さな村。朝九時三十分、野積みのボタ山の山家連日の雨でたっぷり水を含み、泥状になって地震のような音をたててくずれた。ちょうど朝のクラスが始まったばかりで小学校の子供たちと教師はくずれ落ちたボタや校舎の下敷きになった。
 村当局は直ちに"緊急事態"を宣言、英女王エリザベス二世も小さな子供たちの犠牲をいたんでメッセージを送った。」


「一六三人まだ下敷き 英国のボタ山惨事 国あげての救援むなし」
(毎日新聞昭和41年10月22日夕刊11面)


「【ロンドン二十二日佐藤特派員】南ウェールズの片田舎、アバーファンで二十一日朝、二百万トンのボタ山がくずれて小学校などを押しつぶした事故は、約二千人の救出隊が出動し、徹夜で作業を続けているが、ボタ山はなお動いており、困難をきわめている。二十二日朝までに六十二人が遺体で発見され、残る百六十三人も絶望とみられている。生き埋めになった二百二十五人のうち、約二百人は七才から十一才の学童で、ウィルソン首相とキャラハン蔵相もかけつけ、国をあげての救援活動を行っている。
 事故が起きたのは南ウェールズのアバーファンという小さな村。くずれ落ちたボタ山は、山あいの傾斜に沿って百五十メートルの高さに積み上げられていたもので、二日続いた豪雨で水をふくみ、土台がゆるんで、あっという間にくずれはじめた。ナダレはまず近くの農家を百五十メートルも押し流し、さらに八百メートル下にある小学校の校舎を押しつぶした。先生や生徒たちは逃げ出すひまもなく、一瞬にドロ沼に埋まった。(中略)
 現場の光景は悲惨をきわめており、四、五人固まってしっかり手をつなぎ合った遺体が、母親たちのひきちぎれるような叫びの中を引き揚げられている。」


古くからの炭坑町の災害のようですが、山の斜面に作ったボタ山の危険性は指摘はされていたようです。ただ、斜陽のイギリス石炭産業の力では、一旦できてしまったボタ山の後始末は難しかったんでしょう。日経新聞の22日夕刊7面のよると、事故当日は午前中までの授業だったそうで、ボタ山の崩落が2時間半遅ければ子供の被害は大幅に減っていただろうとのこと。ご冥福をお祈りいたします。



「100人は楽です ソ連から 世界最大のヘリ」
(朝日新聞昭和41年10月22日朝刊15面)


「【新潟】世界最大といわれるソ連製ヘリコプターが二十一日午後新潟空港から飛立ち、同午後三時半大阪空港についた。同市で開催中の第二回ソ連産業見本市に出品されるため、十八日夕ソ連船で新潟港に運ばれた。
 図体が大きすぎて、陸揚げや組立てに手こずり、二日間もかかったため出発が遅れた。約三十四メートルの機体に長さ十六・五メートルの回転翼が五枚もついていて、重さは二十八トンある。自衛隊で使っているヘリの十倍、百人は軽く運べるという。」


記事中では機種名が書かれていませんが、ミル設計局開発のMi-6ですね。ともかくデカイです。日本までは船で運んだようですが、直接ソ連から飛んで来なかったのは何故なんでしょう?



「天皇のお車にいかがです 日産が貴賓用八人乗りを披露」
(毎日新聞昭和41年10月22日夕刊10面)


「国産初の貴賓用八人乗り大型リムジン「日産・プリンス・ロイヤル」の特別試作車が二十二日、東京芝のプリンス・ホテルで日産自動車によって披露された。
 この八月、同社に吸収合併されたプリンス自動車が昨年九月、宮内庁から「天皇のご料車として試作してほしい」と注文を受けていたもので、日産自動車は「性能もよいのできっとお買い上げいただけるだろう」と自信満々。発表も大安吉日のこの日を選ぶという気のつかいようである。(中略)
 日本はこれで米英独に次ぎ、国産リムジンを持つ四番目の国となったわけ。日産自動車では「宮内庁の了解が得られれば一般の方のご注文にも応じます」といっているが、値段の方は公表できないとか。」


日産側は『宮内庁の了解が得られれば一般の方のご注文にも応じます』と言ってますが、宮内庁は許さないような...。もしヤクザの親分さんが発注しちゃったりすると、どうするんだろう。



「その"微笑の女"を追え ダンヒル・ライター専門に デパート軒並み被害 都内 魔術のよう、ケースから」
(毎日新聞昭和41年10月22日朝刊15面)


「東京の銀座、有楽町、日本橋などのデパートに現われ、一個二十万もする英国製ダンヒル・ライターとともに姿を消す"ナゾの女"を丸の内、築地、中央署で追っている。三十七、八才、品のいい洋服の着こなし、男女二、三人の共犯がいるらしい。二十日白昼、銀座で起きた二百七十万円のダイヤ指輪盗難事件のときも、同一人と思われる女がいた。八月以来、東京都内のデパートのほとんどが軒並みやられ、被害はダンヒル・ライターばかり百万円以上、もしダイヤ事件も同じ女だとすれば三百万円以上にのぼる。
 事件はいつも女の"やわらかい微笑"ではじまる。今月四日午後零時半ごろ、千代田区有楽町"そごう東京店"の一階高級雑貨売り場。店員、山崎昌江さん(二三)の前にニッコリした中年の女が立った。ダンヒルのパイプをしばらく手にしたのち、金と銀製のカフスボタンを出させた。「四十才くらいの人に贈るんだけど、どちらがいいかしら」「電話で本人の好みを確かめる」といって、なにも買わず五分後に去った。あとで調べてみると、近くのショー・ケースの中にあったダンヒルのライター二個(計三万七千円)がなくなっていた。」


『その"微笑の女"を追え』とは、週刊誌の見出しみたいですな。女怪盗ということで、社会部の記者もちょっとシャレた見出しを作りたくなったかな?店員にカフスボタンを出させている間に、ライターを隠し持つんでしょうか。『ショーケースからライターが無くなっていた』ということは、客が直接ライターに触れるように陳列してあったんでしょう。



今日の殺伐




「満員電車で押合い 上級生二人を殺傷 堺の高校生」
(朝日新聞昭和41年10月22日朝刊15面)


「【堺=大阪府】二十一日午後三時四十分ごろ、南海電鉄高野線北野田発難波行普通電車が、堺市中百舌鳥町の白鷺駅にさしかかったとき、電車の三、四両目の連結器付近にいた堺市私立初芝高校三年生の大阪市阿倍野区佐藤清司君(一八)と同市西成区木村実君(一七)の二人が、同校二年生の大阪市住吉区A(一六)と口論、けんかとなりAは持っていたナイフで二人を刺した。
 佐藤君は腹部二カ所を刺されており、出血多量のため、大阪労災病院で、同六時四十分死んだ。また、木村君も左腹部を刺され、重体。Aは姿を消し、堺北署は殺人、同未遂の疑いで捜していたが、Aは同日午後十一時五十分ごろ、住吉署安立北派出所へ自首した。(中略)
 Aは成績もよく、進学クラスにはいっており、柔道二段だった。」


ケンカの原因はよく分かりませんが、ナイフを持ち歩いていたのには理由があったんでしょうか。記事には、『Aは先月姫路市内の私立高校から転校してきたばかり』とのこと。もしかしたら、転校生ということで周囲の学生と軋轢があったのかもしれません。



「高校生の殺し屋 50万円で幼女殺しの片棒」
(毎日新聞昭和41年10月22日朝刊15面)


「【日立】十六日、茨城県日立市の常磐線沿いの市道わきの鮎川橋下で、同市佐藤四津江さん(二六)の長女、初枝ちゃん(三つ)が死んでいた事件を、殺人とみて捜査中の日立署は、二十一日午後十一時四十分、羽石賢一郎(二五)と同市高校三年生(一八)の二人を殺人容疑で緊急逮捕した。
 自供によると、高校生は羽石から五十万円で殺人を頼まれ、十六日午後一時ごろ、日立市常磐線大甕(おおみか)駅前で落ち合い、初枝ちゃんを自宅から「遊びに行こう」と連れだし、午後八時ごろ、鮎川橋上から二人で初枝ちゃんを突き落として殺した。
 羽石は初枝ちゃんの父、徳一郎(二九)=窃盗で服役中=と刑務所で一緒だったが、徳一郎に不利な証言をされたのをうらみ、一ヵ月前に知り合った少年を金でつって仲間にした。
 高校生の自供によると、十六日夜、羽石と四津江さん方を訪れ、初枝ちゃんを連れ出し海岸近くで殺そうとしたが、かわいそうになり初枝ちゃん宅に引き返す途中に鮎川橋の上で羽石に「早くやれ」とそそのかされ、二人で突き落としたという。その後、高校生が水戸市内で犯行を知人にしゃべったことを刑事が聞き込みわかった。」

10月18日の記事の続報。やはり殺人事件だったようです。復讐するにしても、その不利な証言をした男を相手にせず、高校生を金で雇って三才の女の子を殺すとは、相当な卑劣漢。ただ、気になるのは、18日の記事では、母親自身も捜査対象であるかのように書かれていた点と、殺された初枝ちゃんが事件の前にも顔を縫うほどのケガをしていた点。続報を期待します。

(→At the Moment 2006年10月18日に関連記事あり)
| - | 03:35 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |

御料車のプリンスロイヤルに関して。
奇しくも今年7月から後継車の『トヨタ・センチュリーロイヤル』が納入されています。この新車の初使用は9月28日の臨時国会開会式出席。2006年に引退ということで、プリンスロイヤルは納入からちょうど40年間活躍したことになります。

少年犯罪に関して
今日の「殺伐」コーナーは、2件とも少年犯罪がらみ。50万での殺しの請負も、優等生のナイフ殺人も今なら「現代の病理が少年に顕在化した」という切り口で扱われるところでしょうね。

ダンヒルライター泥棒に関して
記事へのコメントで、「犯人が峰不二子ぐらいの美人だったらもっと盛り上がるでしょうね」って書こうとしたら、ルパン三世の原作は1967年連載開始でした。この事件の頃はまだ始まってませんな。
| 産業ロック製作所長 | 2006/11/12 4:12 AM |










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